COLUMNコラム
接着剤の事前準備は非常に重要であり、接着剤を接着させる被着体の表面に油や汚れ、錆び、その他異物が付着した状態で接着させても、メーカーが作成している技術データシートの強度はまず出ない。
適切な表面脱脂を行うことでデータシートの強度と同等程度の強度となるため、脱脂工程は接着工程と同じぐらい非常に重要な工程である。
下のグラフで、左側がロックタイト純正ディグリーザー LOCTITE SF7063を使用して洗浄した後に接着させた強度であり、データシートと比較して100%近い強度が出ている。
しかしながら表面洗浄を行わずに接着をすると極端な強度低下となってしまう。
LOCTITE SF7063は汎用パーツクリーナーと異なり、ワークを冷やしにくいガスを使用している。
汎用パーツクリーナーに含まれるガスはLPGが多く、LPGはワークを冷やす作用がある。ワークが冷え、0℃付近までの温度になると結露が発生し、その水分が接着性に影響を与えるため、パーツクリーナーで接着強度を下げてしまう場合がある。
LOCTITE SF7063にはLPGは含んでおらず、代わりに炭酸ガスを使用しているため冷やしにくい効果がある。
内容成分にも特別な成分を配合している。汎用パーツクリーナーはイソヘキサンという炭化水素系の成分しか入っていない場合が多いが、イソヘキサンでは除去できる限界がある。
LOCTITE SF7063にはメチラールという有効成分を含有しており、メチラールはオイルや汚れやグリース、粘性の低い接着剤などを綺麗に除去する性能がある。
LOCTITE SF7063接着剤専用ディグリーザーを使用することで接着性を理想的な形にしてくれる。