COLUMNコラム

3.接着剤の特性項目 – ヘンケルジャパン(株)製・各種接着剤の紹介

1.接着剤の特性は硬化前、混合後、硬化後によって分けられる

硬化前:粘度(Viscosity)、Sag(垂れ性)、Shelf life(使用期限)など
混合後:固着時間(Fixture time)、表面硬化時間(Tack free time)、可使時間/ポットライフ(Gel time/pot life)など
硬化後:接着せん断強度(Shear strength)、硬度(Hardness)など

 

 

2.粘度について

数字が高いほうが流れにくい液体となる。
一般的にmPa sec(cP)(ミリパスカルセック、センチぽアズ)と表現する。
1mPa.sec=1cPとなる。
1cPは水の粘性と同じで一般的にシャバシャバのイメージとなる。
1,000cPはオイル程度の粘性、10,000cPはハチミツ程度の粘性となる。
1,000,000cPは一般的にペーストやゲルと言われ、流れない性質である。
粘性の評価はブルックフィールド粘度計やコーン&プレート粘度計で測定する。

 

 

3.固着時間(Fixture time)について

固着時間とは一般的に次工程に進むことが出来る強度が発現する時間である。
測定方法としては1インチ×1/2インチの接着面積で3kgのおもりを付け、10秒間接着部がはがれなくなるまでの時間となる。

 

 

4.可使時間(Gel time/Pot life)について

一般的には2液性の接着剤の場合に用いられる。ミックスノズルを使用する場合は、ミックスノズル内でまだゲル状にならずに、再度接着剤を使うことが出来る時間である。
ミックスノズルを使用しない場合は混合後、粘度が約2倍になるまでの時間である。Gel TimeやPot Lifeの評価方法は各メーカーによって異なる場合がある。

 

 

なお、ゲル状になるというのは、液が垂れなくなる状態のことを言う。

 

 

5.耐熱性について

耐熱性の項目は非常に重要である。耐熱性と言っても定義は様々となり、主に2つの項目がある。1つは熱老化性、2つ目は高温時強度である。
“熱老化性については長時間熱が発生する場合や繰り返し熱が発生する場合において参考すべき項目であり、常温に戻ったときに初期と比べてどの程度強度が戻るか(もしくは増えるか)という項目である。”
高温時強度は塗装や溶接など接着後に高温が一時的(短時間)に発生する箇所において考慮すべき点である。
一般的には高温時に強度が大きく低下する接着剤がほとんどであり、高温時にもどの程度の応力が発生するかどうかを確認する必要がある。
また、高温時に強度が大きく低下しても常温に戻ると強度が100%近くまで戻る接着剤もある。
一般的には両方の項目を十分考慮すべきである。

 

 

以上、その他さまざまな項目があり、その他についての詳細についてはお問い合わせください。

 

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