COLUMNコラム
潤滑の概念
相対的に動いている二つの物体の面同士の直接接触を防ぐ。
a)【乾燥摩擦】/(潤滑油なし)
b)【境界潤滑】/(潤滑油あり)
c)【流体潤滑】/(潤滑油あり)
b)【境界潤滑】/(潤滑油あり)
c)【流体潤滑】/(潤滑油あり)
潤滑の目的
転がり軸受の潤滑の目的は、軸受内部の摩擦及び摩耗を減らし、焼付きを防止することである。
潤渇の効用は次のとおりである。
摩擦及び摩耗の減少
軸受を構成する軌道論、転動体及び保持器の相互に接触する部分において、金属接触を防止し、摩擦・摩耗を減らす。
基本定格寿命(疲れ寿命)の延長
軸受の転がり疲れ寿命は、回転中の転がり接触面が十分に潤滑されているときには長くなる。
逆に、潤滑油の年度が低く、潤滑油膜の厚さが不十分な場合には短くなる。
摩擦熱の搬出、冷却
循環給油法などでは、摩擦により発生した熱、あるいは外部から伝わる熱を油によって搬出・冷却し、軸受の加熱を防ぎ、潤滑油自身の劣化を防止する。
その他
軸受内部に異物が侵入するのを防止し、あるいはサビや腐食の発生を防ぐという効果もある。
潤滑方法
軸受の潤滑方法は、グリース潤滑と油潤滑に大別される。
軸受の機能を十分に発揮させるためには、その使用条件、使用目的によく適合した潤滑方法を用いることが第一である。
潤滑だけを考えれば、油潤滑が優れているが、グリース潤滑は、軸受周辺の構造を簡略化できる特長がある。
グリース潤滑と油潤滑との得失を比較して下表に示す。
項目 | グリース潤滑 | 油潤滑 |
---|---|---|
ハウジング構造 密封装置 |
簡略化できる | やや複雑になり、保守に注意が必要 |
回転速度 | 許容回転数は、油潤滑の場合の65〜80% | グリース潤滑に比べ、高い回転数でも使用可能 |
冷却作用 冷却効果 |
なし | 熱を効果的に放出できる(循環給油法の場合など) |
潤滑剤の流動性 | 劣る | 非常によい |
潤滑剤の取替え | やや繁雑 | 比較的簡単 |
ごみのろ過 | 困難 | 容易 |
潤滑剤の漏れ汚染 | 漏れによる汚染が少ない | 油漏れにより汚染を嫌う箇所には不適 |
潤滑油の供給(補給間隔)