COLUMNコラム

3.潤滑について – 転がり軸受の取扱いと保守管理

潤滑の概念

相対的に動いている二つの物体の面同士の直接接触を防ぐ。

a)【乾燥摩擦】/(潤滑油なし)
b)【境界潤滑】/(潤滑油あり)
c)【流体潤滑】/(潤滑油あり)

潤滑の目的

転がり軸受の潤滑の目的は、軸受内部の摩擦及び摩耗を減らし、焼付きを防止することである。
潤渇の効用は次のとおりである。

摩擦及び摩耗の減少
軸受を構成する軌道論、転動体及び保持器の相互に接触する部分において、金属接触を防止し、摩擦・摩耗を減らす。

基本定格寿命(疲れ寿命)の延長
軸受の転がり疲れ寿命は、回転中の転がり接触面が十分に潤滑されているときには長くなる。
逆に、潤滑油の年度が低く、潤滑油膜の厚さが不十分な場合には短くなる。

摩擦熱の搬出、冷却
循環給油法などでは、摩擦により発生した熱、あるいは外部から伝わる熱を油によって搬出・冷却し、軸受の加熱を防ぎ、潤滑油自身の劣化を防止する。

その他
軸受内部に異物が侵入するのを防止し、あるいはサビや腐食の発生を防ぐという効果もある。

 

潤滑方法

軸受の潤滑方法は、グリース潤滑と油潤滑に大別される。
軸受の機能を十分に発揮させるためには、その使用条件、使用目的によく適合した潤滑方法を用いることが第一である。
潤滑だけを考えれば、油潤滑が優れているが、グリース潤滑は、軸受周辺の構造を簡略化できる特長がある。
グリース潤滑と油潤滑との得失を比較して下表に示す。

項目 グリース潤滑 油潤滑
ハウジング構造
密封装置
簡略化できる やや複雑になり、保守に注意が必要
回転速度 許容回転数は、油潤滑の場合の65〜80% グリース潤滑に比べ、高い回転数でも使用可能
冷却作用
冷却効果
なし 熱を効果的に放出できる(循環給油法の場合など)
潤滑剤の流動性 劣る 非常によい
潤滑剤の取替え やや繁雑 比較的簡単
ごみのろ過 困難 容易
潤滑剤の漏れ汚染 漏れによる汚染が少ない 油漏れにより汚染を嫌う箇所には不適

潤滑油の供給(補給間隔)

 

 

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